『一口腔一単位の治療をあなたはいつから始めますか?』
1933年に
McCollum博士が、私たち歯科医師に問いかけた言葉です。
これを患者様に逆に問いかけてみたのが前述の言葉です。
博士は、[歯科医は口腔の医者でなければならない。単に歯を一つの体のパーツとして捉えるのではなく、顎口腔系全体を指して一単位と考えること]と唱えています。
私は歯科医療において最も大事な言葉だと思います。
私たち歯科医師は1本の歯の小さな詰め物から歯槽膿漏が進行し、奥歯が抜けたりして、噛み合わせが合わなくなったような複雑なケースまで、一口腔一単位に基づいてオールラウンドに治療に対処することが求められます。
難しくなればなるほど、治療に入る前に必ず治療の流れに準じた
基礎資料の収集・
総合診断を行い、
治療計画を立て、
治療ゴールのイメージを描くことが大切です。
歯科治療のゴールとは、健康な歯茎で、見た目のよい、良く噛める口腔内環境を整えることと同時に、この良い環境が長く続くようにすることです。 |
永続性のある治療ゴールを得るためには、炎症のコントロールと力のコントロールの両方が不可欠になります。 |
炎症のコントロールとは ・・・ 歯槽膿漏の治療 「
歯周病のページを参照」
力のコントロールとは ・・・ 噛み合わせの治療
二つのコントロールを考えた治療計画を立て、患者様とインフォームド・コンセントをしっかり行うことは、患者様にも進路のはっきりと分かる治療へとつながります。
しっかりとした治療計画を立てるためには、まず、基礎資料の収集が必要です。基礎資料からは、患者様の過去から今までの推移を知ることができ、また未来を的確に把握することにつながります。参照資料も歯槽膿漏と噛み合わせの両面から収集します。 |
基礎資料 |
歯周病の観点から
①口腔内写真 ②レントゲン写真 ③歯周病検査 |
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噛み合わせの観点から
①お口全体の模型 ②フェイスボウトランスファー |